白線の上を走りたい

おじさんローディーのロードバイク散財記録

SPDペダル内部のグリスアップ

今回は、SPDペダル内部のグリスアップを取り上げる。

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当方、一番はじめのビンディングペダルSPDペダルで、その後一旦SPDペダルを経た後、今現在はSPDペダルに落ち着いている。
・・・まぁ要するにSPDペダルしか経験したことがないわけであるが、具体的なSPDペダル遍歴はこうである。👇

ロードバイク歴一年未満のヒヨっ子であるが、ビンディングペダルに移行する前のフラットペダルも含めると、僅か一年足らずの間に4つもペダルを変えているという、かなり痛いペダリストなのではないだろうか。
それでも自分の中では、このペダル変更には下記の確固たる理由がある。

  • ①→②の理由 : 停車時のペダル向きが安定せず、片面ゆえ走り出し時のステップインがまごつくことがありストレスを感じたため、数回使用して両面ペダルへの買い替えを決意した。
  • ②→③の理由 : 片面から両面ペダルへの変更により、クリートキャッチ率アップの効果に感激し、特にこれといった不満はなかったが、メンテナンスを試みようとして破壊し、買い替えを余儀なくされた。

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👆上から①→②→③

黎明期のフラットペダルからビンディングペダルへの移行時は、SPD-SLとSPDのどちらにするか悩み、やはりライド先で歩き回ることを考慮するとSPD-SLは不向きだろうということでSPDをチョイスしたものの、、、リアルな実態としては「ほぼ歩かねー」である。。。

よく言われるのが、構造的にSPDは点で踏むからパワーが逃げる、それに対しSPD-SLは面で踏むから高いパワー伝達が出来るという情報があり、正直SPD-SLへの興味もあるが「所詮くたびれたおじさんの週末ポタリングに必要か?」と自問すると、やはり両面ペダルのSPDで「伝達効率云々よりもストップアンドゴー時のストレスが少ない方がよくね?」ということになる。

両面という意味ではスピードプレイ等にも大変興味があるが、極めて金銭的な理由から大きな壁を感じている。

 

  • ¥21,980 

 

 

購入アイテム

以降に、今回の作業に関連して購入したグッズについて、説明を添えながら列挙していく。(記事中の特記なき記載額は執筆時Amazon価格)

 

シマノ 片面SPDペダル PD-A520 シルバー EPDA520

シマノ 片面SPDペダル PD-A520 シルバー EPDA520

 
  •  ¥4,290

当方が初めて購入したビンディングペダルで、片面仕様のSPDペダルである。
後述する手順において、今回のメンテナンス対象となるペダルである。

 

 

SHIMANO(シマノ) 両面SPDペダル PD-M520 シルバー EPDM520S

SHIMANO(シマノ) 両面SPDペダル PD-M520 シルバー EPDM520S

 
  •  ¥3,381

片面SPDからの買い替えで導入した両面仕様のSPDペダルである。
慣れてしまうと感動が薄れるが、使用し始めた頃はノールック状態でステップイン出来る喜びに、ライド中何度も「いいねぇ〜」と呟いた記憶がある。
その便利さと引き換えに、無骨で若干野暮ったいシルエットは愛嬌か。

 

 

SHIMANO(シマノ) PD-M9000 PD-M9000

SHIMANO(シマノ) PD-M9000 PD-M9000

 
  •  ¥10,586

現在この両面ペダルPD-M9000を使っているが、先の両面ペダルPD-M520と比較すると、価格差があるため当然なのかも知れないが、軽量化はさることながら鈍感な当方でもその精度の良さが体感できるし、見た目もスタイリッシュ(👈重要ポイント)になり、XTRグレードの肩書きが所有欲を満たしてくれる素晴らしい製品だと感じている。
マウンテンバイクにはめっきり疎いが、「XTR」はMTBコンポの最上位グレードであり、購入検討時はひとつ下のグレード「Deore XT」のPD-M8000と迷ったが、実売価格差は2,000円程度なので背伸びしてこちらを選択した。

 

 

  •  ¥1,780

ペダルの脱着時に使用するペダルレンチである。
当方所有のものはこれとは違うノーブランド品でネット検索したが同一品が見当たらないため、形が似ているこちらを載せた。

 

 

  •  ¥490

SPDペダルの分解時に必要となる樹脂製の工具である。

 

 

作業対象となるSPDペダル

メンテナンス対象は「シマノ 片面SPDペダル PD-A520」である。

今回はペダルの分解を実施していくわけだが、数週間前に「両面SPDペダルPD-M520」の内部をグリスアップしようと分解を試み、ペダル軸の内側のネジ山を見事に破壊し再起不能に、、、それもあろうことか左右両ペダルともである...(爆)
そんな黒歴史が背景にあり、ペダル分解には人一倍強いトラウマがあるため、購入して間もない「SPDペダルの最高峰PD-M9000」を分解するのに正直抵抗がある。
よって現在タンスの肥やしと化しているこのPD-A520にスポットを当て、その内部のグリスアップ方法をまとめてみたいと思う。
手順としては、本ペダルが車体に取付けられているテイで話しを進める。

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PD-A520はシマノの片面SPDペダルで、一番最初に導入するSPDペダルとして、購入候補に挙がる代表的なペダルのひとつであろう。

人気の高い片面SPDペダルとしては、他にもPD-A530(片面フラットペダル)やPD-A600(アルテグラグレード)がある。👇

  •  ¥5,302

 

シマノ 片面SPDペダル PD-A600 EPDA600

シマノ 片面SPDペダル PD-A600 EPDA600

 
  •  ¥10,692

片面SPDのメリットは、両面SPDより軽量であることであり、同等グレード(PD-M520とPD-A520)で比べてみると片面SPDの方がペアで60gほど軽い。
また実際のパワー伝達にどれほど影響しているかはわからないが、ケージで囲われた形状であるため、見た目は片SPDの方が両面SPDよりシューズソールの接触面積が広く見える、、、以前片面SPD・両面SPDの乗り比べをしてみたが、パワー伝達の違いを体感することは出来なかった。

👇両面SPDペダル(左)と片面SPDペダル(右)

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先にも触れたが、片面と両面を比較した場合、ステップイン時のクリートキャッチ率には、雲泥の差があると感じる。
何に重きを置くかは人それぞれであるし、走るフィールドによっても全然変わってくると思うが、当方が走るライドコースは大抵信号が多く、かなり頻繁にストップアンドゴーを課せられる。
快適に走ることに重きを置く当方にとっては、片面のストップアンドゴー時のクリートキャッチのまごつきによるストレスはその阻害要因ランキング上位の内のひとつで、両面に変えたことで一気にそのストレスが解消された。

ペダルに限らずロードバイクのパーツ選定においては、「軽いから」「パワー効率が良いから」「使っている人が多いから」等のネット情報に激しく翻弄されがちだが、使用環境や自分の重きを置くポイントによってベストバイアイテムが人によって違うのだなぁ...と改めて感じた。
※ ストップアンドゴーとは、停止と発進を繰り返す状態のことを指す。
※ ストップアンドゴーと似た響きの言葉に、ひろみ郷、若林豪永井豪、綾野・・・

 

 

準備品

① 15mmペダルレンチ (6mmアーレンキーでも可)
② 7mm、10mmスパナ
③ ペダル用ロックブッシュ戻し工具 (TL-PD40)
④ グリス (デュラグリス)
⑤ パーツクリーナー・ウエス
⑥ ピンセット
⑦ モンキーレンチ (36mmスパナでも可)

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必須ではないが「メンテナンスしたった感」が増幅するもの

⑧ デジタルトルクレンチ (SDT3-060)
⑨ トルクレンチ用6mmヘックスビット

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SPDペダル内部のグリスアップ手順

 

f:id:manayuzu34:20180331111716j:plain👆【右ペダル取外し】
15mmペダルレンチ(6mmアーレンキーでも可)を使用し、写真矢印方向に回し右ペダルを取外す。

⚠️ 荷重が掛かる作業のため、前後タイヤを接地させた状態で実施する。

 

 

f:id:manayuzu34:20180331111738j:plain👆【左ペダル取外し】
15mmペダルレンチ(6mmアーレンキーでも可)を使用し、写真矢印方向に回し左ペダルを取外す。

⚠️ 左ペダルは逆ネジであることに注意。

⚠️ 荷重が掛かる作業のため、前後タイヤを接地させた状態で実施する。


以降の作業は、左右両ペダルに対して実施する。

 

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TL-PD40とモンキーレンチ(36mmスパナでも可)を使用し、ロックブッシュを緩め、ペダル軸を取外す。

⚠️ ネジの取外し方向に注意、、、当方は以前、これを逆に回してしまい内部のネジ山を潰して再起不能にしている。

 

 

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10mmスパナを固定した状態で7mmスパナを写真矢印方向に回して、7mmナットを取外す。

 

 

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ピンセット等を使用し、玉押し → ベアリングボール(12コ) → 一体ワン → ベアリングボール(12コ) → 下ワン → ロックブッシュ→ ラバーシールの順で取外す。

⚠️ 取付け順序が分かるように並べておく。

 

 

f:id:manayuzu34:20180331112153j:plainf:id:manayuzu34:20180331112201j:plain👆【パーツ洗浄】
パーツクリーナー・ウエスを使用し、各パーツを洗浄する。

※ 下の写真は、当方が開発した茶漉しとおたま置きを融合したハイブリッド洗浄システムである。

 

 

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グリスアップしながら、ラバーシール → ロックブッシュ → 下ワン → ベアリングボール(12コ) → 一体ワン → ベアリングボール(12コ) → 玉押し → 7mmナットの順で組立てる。

 

 

f:id:manayuzu34:20180331112414j:plain👆【玉当たり調整】
10mmスパナで玉押しを固定した状態で7mmスパナを写真矢印方向に回して、玉当たり調整を行う。

[締め付けトルク : 5-7N・m]

※ 玉当たり調整は、基本的にハブの玉当たり調整と同じような要領(ハブよりややキツめの感覚か)で行い、調整後はペダル軸のガタつきがなく、回転させてもゴリゴリ感がないことを確認する。
ガタつきやゴリゴリ感がある場合は、玉押しとロックナットの締め合せを解除し、再度調整し直す。

 

 

f:id:manayuzu34:20180331112446j:plain👆【ロックブッシュ締め付け】
TL-PD40とモンキーレンチ(36mmスパナでも可)を使用し、ロックブッシュを取付ける。

[締め付けトルク : 10-12N・m]

 

 

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ペダルレンチ(この場合は、デジタルトルクレンチ+6mmヘックスビット)を使用し、左右のペダルを取付ける。

[締め付けトルク : 35-55N・m]

⚠️ 荷重が掛かる作業のため、前後タイヤを接地させた状態で実施する。

 

 

散財記録

最後に、今回の記事に載せたロードバイク関連グッズのうち、当方が実際に散財した費用を計算してみる。(実際はネット購入・店頭購入したものが混在するが、執筆時のAmazon価格を購入価格として計算している)
尚、前回までに計上したグッズについては、今回の散財合計額には含んでいない。

※ 当ブログは利便性の観点からAmazonへのリンクを多用した構成になっているが、決してAmazonのまわし者というわけではない、またアフィリエイト報酬を受け取るような設定はしていないため (設定の仕方が分からないだけともいう...)、安心してリンク先でポチって頂いて構わない。

 

 

今回の散財合計額 : ¥20,527
前回までの散財額 : ¥52,855

トータル散財額 : ¥73,382

だんだん家族には言いにくい額になってまいりました。。。

 

次回は、●を取り上げる。